第13章 外来生物法について -その2・「未判定外来生物」と「種類名証明書の添付が必要な生物」-

 前回は、6月1日より施行された「外来生物法」で規制される生物のうち、「特定外来生物」の種類について説明しました。今回はさらに、「未判定外来生物」と「種類名証明書の添付が必要な生物」について取り上げてみたいと思います。

(1)未判定外来生物

 「未判定外来生物」とは、簡単に言えば、「特定外来生物」に生態が似ているため、生態系等に被害を及ぼす可能性がある生物のことです。今回「未判定外来生物」に指定された生物のうち、当店で取り扱う爬虫・両生類、陸生無脊椎動物に関わるものを抜粋すると、次の通りとなります。大まかに言えば、「特定外来生物」に指定された種と在来種を除いて、その同属の種のほとんどが、この「未判定外来生物」に指定されています。

・爬虫類・両生類

  • アノール(Anolis)属とノロプス(Norops)属の全種
    グリーンアノール、ブラウンアノールを除く。
  • スジオナメラ(Elaphe taeniura)
    タイワンスジオを除く。
  • オオガシラ(Boiga)属の全種
    ミナミオオガシラを除く。
  • ハブ(Protobothrops)属の全種
    タイワンハブ、ハブ、サキシマハブ、トカラハブを除く。
  • ヒキガエル(Bufo)属の全種
    オオヒキガエル、ニホンヒキガエル、ミヤコヒキガエル、ナガレヒキガエル、 テキサスミドリヒキガエル、ロココヒキガエル、ナンブヒキガエル、ガルフ コーストヒキガエル、ヨーロッパミドリヒキガエルを除く。

・陸生無脊椎動物

  • ゴケグモ(Latrodectus)属の全種
    セアカゴケグモ、ハイイロゴケグモ、ジュウサンボシゴケグモ、クロゴケグモ、アカオビゴケグモを除く。

 これらの「未判定外来生物」は、現時点では輸入が規制されているだけで、飼育や現 在国内にある個体の売買が規制されるわけではありません。この輸入の規制についてで すが、「未判定外来生物」を輸入しようとする人は、主務大臣に届け出を行います。こ れを受けて、政府ではその種が生態系等に影響を及ぼすおそれがないかどうか審査を行 います(審査に要する期間は、最長で6ヶ月)。この審査の結果、影響を及ぼすおそれ がないと判定されれば輸入が許可されます。しかし、影響を及ぼすおそれがあると判定 された場合は、以後「特定外来生物」に「格上げ」され、輸入は禁止されます。もちろ ん、この場合は、輸入だけでなく、飼育・繁殖や販売、譲渡も当然禁止されることにな ります。

(2)種類名証明書の添付が必要な生物

 「特定外来生物」や「未判定外来生物」に外見上よく似ていて区別がつけにくい生物 は、輸入の際にその生物の種名を明記した証明書がなければ、輸入することができませ ん。この証明書は、原則として輸出国の政府機関が発行するものでなければなりません が、ワシントン条約(CITES)の輸出許可証などもその代わりとすることができます。種 類名証明書の必要な生物のうち、当店で取り扱う爬虫・両生類、陸生無脊椎動物に関わ るものは次の通りです。

・爬虫類・両生類

  • カミツキガメ科の全種
  • アノール(Anolis)属とノロプス(Norops)属の全種
  • スジオナメラ、ホウシャナメラ(Elaphe radiata)
  • オオガシラ(Boiga)属の全種、チャマダラヘビ(Psammodynastes)属の全種
  • ハブ(Protobothrops)属の全種、ヤジリハブ(Bothrops)属の全種
  • ヒキガエル(Bufo)属の全種
  • 幼生(オタマジャクシ)については、カエル目の全種

・陸生無脊椎動物

  • ゴケグモ(Latrodectus)属の全種
  • イトグモ(Loxosceles)属の全種
  • アトラクス(Atrax)属の全種、ハドロニケ(Hadronyche)属の全種
  • サソリ目の全科全属全種

 次回は、現在飼育中の「特定外来生物」の飼育継続に必要な手続き方法などについ て、取り上げる予定です。

参考: 外来生物法(環境省HP内の普及啓発用ページ)
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html